COLUMN香流歯科コラム


全身に影響する「歯周病」対策
2025.06.30
日本では、約8割の成人が歯周病のなんらかの所見が認められています。歯周病の影響は口腔内にとどまらず、全身の健康に悪影響を与えていることも明らかになっています。
「血管に侵入する細菌」歯茎に付着した細菌(歯周病菌)やその成分が、歯肉の血管内に侵入して運ばれるなどして全身に悪影響を与えています。特に強調したいのが糖尿病との関連です。糖尿病は口腔内の炎症を進行させる一方、歯周病の炎症によって細菌成分が血流に入り、糖尿病を悪化させてしまいます。糖尿病との関連だけでなく、歯周病菌が動脈硬化を手助けする可能性があり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まると考えられています。その他にも、誤嚥性肺炎、関節炎や腎炎、皮膚疾患との関連も指摘されており、妊婦の方で歯周病が進行すると、子宮収縮を促し、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性もあります。
「予防・軽減のために」歯周病を予防したり、軽減させたりする方法は、しっかり歯を磨くことです。しっかりと歯を磨いているという方でも、磨き残しがあるかもしれません。また、歯磨きには、それぞれの癖があり、それに応じた対策が必要です。歯科衛生士がいる歯科医院を受診し、皆さんの歯の状態に合わせた磨き方を教えてもらうことをお勧めします。定期的に歯科医院を受診し、歯のクリーニング(歯石除去)を行うことも有用です。